すずめの住む街。

「あなたの街にすずめはいますか?」

言葉の食べ方



和華「タフってなんだろう。」


咲「タフ?」


和華「タフだよね、って言われた。」


咲「強いこと?」


和華「僕ってタフ?」


咲「タフかなあ。和華って強いの?」


和華「強いと思う?」


咲「何に対して?」


和華「なんだろうね?」


咲「難しいね。」


和華「心が強いことと身体が強いことって違うよね。」


咲「違うね。」


和華「何をもってタフと言われたのだろう。」


咲「なんでそういう話?」


和華「親御さんが入院してしまって、仕事が手につかなくなった人がいてね。」


咲「心配。」


和華「そしたら今日熱出したって休んだの。」


咲「心配。」


和華「で、なんだかんだでタフだよねって言われたんだけど。」


咲「誰でも心は病むときは病むけど。」


和華「それが身体に出ない人もいるよね。」


咲「タフっていうのは身体的なことを指すんだなあ。」


和華「損じゃない?」


咲「損じゃないよ。」


和華「みんな等しく傷つきやすいし弱かったり強かったりすると思うんだけどな。」


咲「それを隠しながら生きてる。」


和華「難しいね。」


咲「隠すのが上手いかどうかはまた別の話。」


和華「あと捉え方か。」


咲「タフという言葉をどう捉えるかは人それぞれ。」


和華「なんで損をすると思ってしまうんだろう。」


咲「気付いて欲しい時に気付いてくれる人がいて欲しいという欲望を持ってる。」


和華「人はひとりじゃ生きられないのに。」


咲「そういう人がいたらいいけどね。」


和華「気付けるかどうか、か。」


咲「僕はひとりにさせない。」


和華「背負い込みすぎないでね。」


咲「僕はここにいるよ。」


和華「僕たちはここにいる。」


咲「ここで生きてる。」