先生
羽舞「久しぶりだね。」
咲「お久しぶりです。」
羽舞「最近はどう?」
咲「楽しく過ごしていますよ。」
羽舞「見てたら分かるよ。」
咲「本当ですか?」
羽舞「和華も楽しそうだから。」
咲「和華が楽しそうだと僕も楽しそうに見えますか?」
羽舞「うん。」
咲「ふーん。」
羽舞「なんか不機嫌。」
咲「羽舞さんが思い描いたようには過ごせていないのになと思って。」
羽舞「子供の頃に色々なことを教えたけれど、理想の未来なんて教えたっけ?」
咲「教えてないですね。」
羽舞「周りと比べて自分ダメだなってそんなこと思う暇あるならもっと自分のことを考えたら?」
咲「...。」
和華「羽舞さんの前だといつもの咲でいられなくなるのね。」
羽舞「お、和華。」
咲「今こうやって過ごしている未来は全く考えてなかったし。」
羽舞「でも良いとか悪いとかじゃないでしょ?」
咲「楽しいよ。」
和華「それでいいじゃない。」
羽舞「何が気になる?」
和華「いつもそんなことで悩まないよ、咲は。」
咲「知ってる。」
羽舞「知らない間に僕が変なこと教えちゃったかな。」
咲「自分はこの世の中で上手く生きていけないとずっと思っていたけど、やっぱり生きていけなかったなって、羽舞さんと会うと思い返して勝手に苦しくなってしまう。」
羽舞「そんなの僕はずっと前から知ってたよ。」
和華「羽舞さん、、」
羽舞「咲がこの世の中を普通に生きていくのに苦手なことばかりだなってずっと前から分かってたよ。分かった上で僕は咲と色々な話ししてたけど。まだそんなことで悩んでたの?」
咲「悩んでいないフリをしているのかもしれない。」
羽舞「悩む必要どこにあるの?」
咲「ないです。」
羽舞「これは咲に学んだことだよ。」
和華「僕も。」
咲「僕は何もしてない。」
羽舞「それでいいんだよ。」
咲「難しい。」
羽舞「生きていくのは難しいことだよ。」
咲「知ってる。」
和華「それでいいじゃん。」
羽舞「普通に生きていくのに苦手なことばっかり。それでいいんだよ。生きていくことが大事。」
咲「知ってる。」
羽舞「じゃあ僕に会って悩んだフリをするの辞めてくれる?」
咲「生きていく中で悩むことも普通。」
羽舞「じゃあ悩まないフリするフリ辞めたら?」