すずめの住む街。

「あなたの街にすずめはいますか?」

風通しのいい喫茶店



奈弥「じゃあそろそろ帰ろうか。」


咲「そうだね。」




日曜の昼下がり。

茶店でお茶をした。




咲「あ、鍵忘れた。」


奈弥「家の?」


咲「うん。」


奈弥「家帰れないね。」


咲「帰れないね。」


奈弥「どっか行く?」


咲「んー、とりあえずこのまま。」


奈弥「じゃあちょっとコーヒーもらうね。」


咲「おかわり自由。」


奈弥「せっかくなら何杯か飲みたいよね。」


咲「電話しよう。」


奈弥「すいません、コーヒーください。」


咲「電話繋がらない。」


奈弥「今日の夜ご飯は?」


咲「ちょっと待って、和華にメールする。」


奈弥「そういえば、和華のご飯食べたことないなあ。」


咲「美味しいよ。」


奈弥「今度食べに行っていい?」


咲「いいよ。和華に言っておく。」


奈弥「やったー。」


咲「今日の夜ご飯は多分どんぶり。」


奈弥「どんぶり?」


咲「和華が漬けなきゃって言ってた。鮪があったから多分漬け鮪どんぶり。」


奈弥「美味しそう。」


咲「おかずを作るのが面倒くさい時のやつ。」


奈弥「どんぶり。」


咲「そう。」


奈弥「和華は今何してるの?」


咲「仕事の準備か買い物。」


奈弥「メール。」


咲「…買い物だった。」


奈弥「もうすぐ終わるって。」


咲「ちょうどいいね。」


奈弥「よかった。」


咲「うん。」


奈弥「今日のご飯何かなー。」


咲「アボガド買ってる。」


奈弥「鮪アボガド丼ってお店のやつ。」


咲「楽しみ。」


奈弥「あ、怒られた。」


咲「和華は優しい人だから。」


奈弥「もう鍵忘れられないね。」


咲「家にちゃんとあるからいいの。」






【和華、買い物ありがとう。】