すずめの住む街。

「あなたの街にすずめはいますか?」

待ち人の言い訳



和華「遅いね。」

咲「遅いね。」

和華「待ち合わせ19時って言ってたよね?」

咲「言ってた。」

和華「今何時だと思ってるの?」

咲「19時15分だね。」

和華「なんの連絡もないわけ?おかしくない?」

咲「おかしくないよ。」

和華「連絡してくれたっていいのに。」

咲「連絡あったよ。」

和華「ないよ。」

咲「あったよ。ほら。」


咲が見せたのはスマホの画面。
昨日の綾とのやり取り。




【じゃあ、明日19時ね!残業して遅くなったらごめん!】




和華「これは連絡ではないよ。」

咲「連絡でしょ?」

和華「これは何かあった時の言い訳。」

咲「じゃあきっと何かがあったんだね。」

和華「何かが、って、ねえ。」

咲「残業でしょ。」

和華「とにかく連絡さえすればいい話でしょ?」

咲「きっと連絡できないんだよ。」

和華「あー、もやもやする。」

咲「もやもやしないで。」

和華「はいはい。」

咲「昨日のうちに言い訳していて良かったね。」

和華「良くない。」

咲「連絡なくても焦らないから。」

和華「...相変わらず咲は呑気だなあ。」

咲「和華は考えなくてもいいことを考えている。で、疲れてる。」

和華「うるさい。」

咲「ほら疲れてる。」

和華「うるさいってば。」

咲「ほら、連絡きたよ。あと20分だって。」

和華「あと20分も待つの!?はあ。」

咲「いいじゃない、あと20分待ったら来るんだから。」






咲「残業お疲れ様。」