すずめの住む街。

「あなたの街にすずめはいますか?」

不安の明暗


和華「来月の今何してると思う?」


咲「どうして?」


和華「なんとなく。」


咲「うーん。こうやってテレビでも見てるんじゃない?」


和華「昼のバラエティ番組。」


咲「お茶の間に笑いを届けてくれる。」


和華「楽しい時間だね。」


咲「みんな笑ってる。」



和華「まあ現実は来月どころか明日何してるか分からないしなあ。」


咲「じゃあなんで聞いたの。」


和華「なんでかなー。現実は厳しいなー。」


咲「別に厳しくはないよ。」


和華「でも明日地球は無くなるかもしれない。」


咲「さっきまで来月何してると思う?って聞いてた急に人がどうしたの。」


和華「どうしたんだろうね。」


咲「今はテレビを見ている。来月も今と同じように見ているかもしれない。それだけだよ。」


和華「そうだね。ごめん。」


咲「明日も明後日も来月も来年も、全部未来なんだから。今は未来に対して希望や推測しか言えないし、未来でどうなるかなんて今は分からない。」


和華「ごめんって。」


咲「過去は過去で戻ってくるわけじゃないし、未来を見ているのはいいことだと思うよ。」


和華「明るい感情と暗い感情がごっちゃになってるね。」


咲「今テレビを見ている。明日も見ているし、来月も見ているといいね。」


和華「今と変わらず、2人で。」


咲「うん。」